◆今月のメッセージ 2014.06:

6月です。

梅雨の時期がやってきました。
関東地方も例年よりも早く梅雨入りしました。

梅雨の時期は、空気が重く、好きではないですが、「あじさい祭り」には、カンカン照りの中で鑑賞するよりもしっとりした6月にお似合いですね。

数年前までは、子供たちが音楽院を休んでの日本公演でしたので、コンサートが終わると慌ててパリに戻る生活をしていましたために、日本であじさいにお目に掛かる時期までは滞在することは出来ませんでした。
それが、音楽院を卒業して少し日本での滞在期間が長くなった頃から、日本の6月、いわゆる梅雨の時期を過ごすようになりました。

20年以上日本の6月を味わっていなかったので、蒸し暑い重い空気にいささか閉口したのですが、愛知県の岡崎や伊豆の下田とあじさい祭りに足を運ぶようになってからというもの、”あじさい&しとしとした雨” が、何と素敵で、芸術的な風情ある眺めだ、と感激するようになったころから、憂鬱になる、という不快指数がぐんと減りました。
確か、下田公園は、15万株、300万輪だということでしたが、圧倒されました。

日本で鑑賞するまでは、あじさいの種類がこれほど多いとは知りませんでした。
家庭の庭先に咲いているあじさいは、同じように見えていましたが、あじさい祭りで目の当たりにして、種類の多さにも驚きました。
あじさい祭りは、バラ園のような華やかさはないものの、しずくで濡れている葉の間を通っての、あじさい鑑賞は、情緒があって大好きです。
元々声が大きい私でも、静寂の中での散策とあって、遊歩道をゆっくり普段よりも上品に会話をしてしまう自分に気づきます。

あじさいの原産地は日本でありながら、ヨーロッパでも観賞用として多く出回っています。
そして、酸性の土壌だと青色、アルカリ性の土壌だと赤色の花をつけ、そのためにヨーロッパで観るあじさいは、アルカリ性の土が多いですで、赤色のあじさいの方が数が多いです。
土壌の影響ではなく、花が老化すると、少し赤色を帯びて、藤色のように変化しますが、同じ株の中で色々変化していく様子を観察するのも楽しいですね。

では、6月が皆さまにとりまして、素晴らしい月となりますように!