◆今月のメッセージ 2020.03:

皆さま、3月に入りました。
昨日は、桃の節句でしが、如何お過ごしでございますか。
ひな祭りとは、女の子のすこやかな成長と健康を願う行事ですが、年に一度のこの日が大好きです。
もう、孫のお節句も何と10回目となりました。
やはり、初節句の頃の印象は強く、3月3日を迎えますと、当時の様子が蘇って参ります。
昨日も娘夫婦に招かれ、楽しい時間を過ごさせてもらいました。
孫の10年の経過は、随分人間らしく成長するものだと感じます。

さて、来たる5月31日(月)のレ・クロッシュ リサイタル まであと3ヶ月弱となりました。
当日のコロナ感染者の状況をみてから伺います、との連絡を多く頂いております。
確かに、今やクラシック愛好家は、大分年齢層が高くなっているように思われます。
ですから、交通機関を使えば、それなりに密は避けられない事ですし、ご無理のないようお願い致します。

私の大学時代は、早や50年前の話となりますが、クラシックブームの時期で、若者の楽しみでもありました。
オーケストラや都民劇場など、学生を優遇してくれる「学生席」が存在して、学生会員数がとても多かった時代です。
私は、オーケストラ学生会員に2つ、都民劇場学生会員と3つの学生会員で、充実して音楽三昧が出来ました。
コンサートの挟み込みのチラシに目を止め、外来アーティストたちのコンサートにもかなり足を運びました。

「学生席」は、学生の特権ですから、お安く購入でき、いつもその日は、朝からワクワクして大学に向かい、授業を終えると、東京文化会館へと向かいました。
国鉄時代ですから、上野駅前の「日本食堂」で急いで食事をして、開演前に飛び込んだものです…
あの時代がとても懐かしいです。

そういう事から、「東京文化会館」が私にとって特別な場所でしたが、そこでレ・クロッシュのコンサートを長年させて頂けました事は、私の夢であり、誇りでございました。

昨年からコロナ禍の影響が続き、若者からお年寄りまで、コンサート会場に足を運べない状況となりました。
誠に残念です。

毎年2月には、東京文化会館 小ホールの翌年の5月公演のための審査用紙を提出せねばなりませんが、来年も状況も分かりませんし、ファンの高齢化が進みましたので、考えた末に、断念する事に致しました。
それでも、東京文化会館事務局より、3月2日には、ご親切にわざわざ、今年の申請書を提出していませんので、担当者から確認のメールが届きました。
今まで15回ほどお世話になりました、東京文化会館ですので、とても残念な気持ちはございますが、休日をゲットするのは中々厳しく、平日ですと、午後7時でなければ、社会人の方たちが無理となりますので、色々条件が難しいところです。

ゆっくり、今後の生き方を考えて行く時期でもあるのかも知れません。
一生音楽と関わって行きたいと思いますが、やはり自主公演は負担も多いですから、そろそろ考える時期に差し掛かったような気が致します。

本当に、日本デビュー20周年記念を迎えることが出来ました事は、ファンの方たちあっての事です。
心より感謝の気持ちでいっぱいです。
人生は、ずっと同じ事を続けられません。
必ず立ち止まって、新たな生き方を考えるものです。
そういう分岐点に来ているような気が致します。

私自身は、音楽が好きで、根は真面目ですが、人一倍遊ぶこと、特に旅行が大好きです。
残り少なくなりました人生をいかにエンジョイしていくか…、頑張り過ぎた半生でしたので、そろそろ自分のために、思い切って楽しんで生きて行きたいと思って居ります。
今までの人生には十分満足していますし、旅行におきましても、世界中を見聞し、日本の公演も北海道から沖縄まで周り、その都度、最後は楽しい時間を過ごすことが出来ましたが、徐々に体力が許さなくなってきていますので、出来る範囲で出来る事をして、最期の日に、「最高の人生でした。楽しませてもらって有難う。」と言えるぐらい、自身を磨きながら、出来る限り他人のために尽くし、素敵な人生を歩み続けたいと思います。

では、3月は、花の開花の時期で、コロナ禍の中でも、十分自然を味わえる時期です。
どうぞ、楽しい季節をお過ごし下さいませ。